不眠症治療薬“レンボレキサント”はたくさん飲んでも有効性はかわらない

不眠症治療薬“レンボレキサント”はたくさん飲んでも有効性はかわらない


エーザイが不眠症治療薬“レンボレキサント”について新薬承認申請をおこなったことを公開しました。レンボレキサントはベルソムラと同様の薬理作用を有する薬剤です(オレキシン受容体1と2に対する拮抗作用)。



現在、第三相試験のデータまでが開示されているのですが、レンボレキサントとベルソムラの比較データは公開されておりません。今回は、これまでに開示されているレンボレキサントの薬理作用の中から睡眠剤としての特徴をまとめてみました。

レンボレキサントはたくさん飲んでも有効性は変わらない



睡眠剤としてのレンボレキサントについて、一番興味深い記載内容は“10mg以上を服用しても有効性はかわらない”という記述です(第二相試験の報告より)。ベルソムラでも同様の見解かとは思うのですが、レンボレキサントの薬理作用は、オレキシンという目覚ましホルモンがくっつく脳内の部分である“オレキシン受容体”と拮抗することで、



“目覚ましさせない“=”眠りを促す“



という効果です。



起きている状態をオレキシン(目覚ましホルモン)がオレキシン受容体に100%くっついていると仮定した場合、薬によってオレキシン受容体を65%以上ブロックした時に、はじめて「眠いかも」という感覚となります(ベルソムラより)。レンボレキサントやベルソムラのようなオレキシン受容体拮抗薬は、非常に多くのオレキシン受容体を占有しなければ効果を発現しない薬と言えます。



ざっくりとしたイメージですが、レンボレキサントを10mg以上使用しても脳内のオレキシン受容体占有率に大きな変動はないため、睡眠薬としての有効性には変化がないというデータが第二相試験を読んだ私の印象です。一方で、たくさんのレンボレキサントを飲むと、体内での代謝に時間がかかるため、日中まで眠気が持続するという副作用が生じていました(睡眠の質に関しては、量を増やしても変わらないが、量を増やすと翌日まで眠気が残る)。



翌朝の眠気持ち越しに関してはレンボレキサント1~10mgを飲んだ群では、眠気の持ち越しは無く、15mgや25mg服用群では眠気の持ち越しが報告されています。



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ゾルピデム徐放錠6.25mgとレンボレキサントの効果比較


レンボレキサント5mg/10mg、ゾルピデム徐放錠それぞれを服用して8時間後の姿勢安定性については、レンボレキサント服用群ではプラセボ群と同様に姿勢の安定性に影響はありませんでしたが、ゾルピデム徐放錠服用群では、寝起きのふらつき増が確認されました。(ゾルピデム徐放錠:ベースラインに対する平均変化量:5.0)



中途覚醒後の再入眠までの時間について



レンボレキサント5mg群:―22.5分

レンボレキサント10mg群:-28.7分

ゾルピデム徐放剤群:-21.0分



レンボレキサント10mg群ではゾルピデム徐放群に比較して、有意に再入眠までの時間を短縮した。(-の値が大きいほど、再入眠までの時間が短いというデータです)

レンボレキサントによる副作用



一般的な副作用は5%以上に傾眠がみられています。

レンボレキサント1mg群の傾眠率は3.1%

レンボレキサント25mg群での傾眠率は22%

と報告されています。

レンボレキサント第二相試験データ

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